小学校の教科書で「三権分立」について習い、「世の中うまくできてるんだな。偉い人がズルできないように見張り合ってるんだな」と、子どもながら安心した覚えがあります。なので、現在、政府が黒川検事長の定年延長を押し通すため、検察庁法を改正しようとしていることに、大変驚き強い不安を感じます。 内閣の判断により、検事長の定年の延長や再延長ができるというのは、どういうことでしょうか。時の権力にとって都合の良い人事がなされ、続いてしまう構造が生まれやすくなってしまいます。安倍首相が「検察の人事に何か政治的な意図をもって介入することはありえないこと」と発言されたのは存じておりますが、ではなぜ法改正までして延長したいのでしょうか。 これまで内閣まわりでは、違法性が疑われるような事件が色々ありました。記憶に新しいものでは、森友・加計学園、桜を見る会、それらにまつわる文書改竄です。こういった違法性が疑われることが起きたときに、きちんと中立の立場で捜査や追及ができる人が検察庁上層部にいなければ、政府が暴走しやすくなってしまいます。 先述の事件の中で使われたお金も、それを批判するための時間に使われたお金も、この謎の法律改正に使われているお金も、すべて日本に住む人々が納めた税金です。政府が増税を重ねてまで、徴収している税金です。 恥ずかしながら、これまではこういった事も「よくある政治ゴシップ」のように眺めてしまっていましたが、今般の新型コロナウイルスをめぐる政府の遅い対応をみて、ただただ辛いです。個人への現金給付、休業補償、医療体制の整備、医療従事者の危険手当など、出し渋りのためか対応が遅くなり、日本でもどんどん感染が広がってしまいました。 政権に忖度せず、きちんと捜査の決断や指示ができる人が検察庁の上層部にいなくては、政治がらみの事件への抑止力がなくなり、そこにまた私たちの税金が公共の利以外の目的で使われてしまいます。また、すでに税金を使って起きてしまった事件がちゃんと裁かれて欲しい。そして今回の感染症対策のように、本当に必要なときには迅速に、必要なところに、私たちの税金を出し惜しみせずに使って欲しい。 新型コロナウイルス感染症で、世の中が不安なときに、どさくさに紛れるようにして日本の三権分立を脅かすようなことは止めてください。お願いします。 (30代主婦)
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