不要不急の外出自粛を要請しても、仕事に行かなければ生活ができなくなる人にとっての外出は不要不急ではありません。 仕事をして収入を得ることが生活を維持するために外出するのは、必要な外出です。 本当に感染拡大を止めるためには、外出しなくては仕事ができず生活ができない雇用体制の人に生活費を給付することが同時に必要だと思います。 また、混雑する店の利用自粛を提言していらっしゃいましたが、補償も無くそういった店舗が営業自粛することはできないはずです。利用者にとっては不要不急だとしても、営業者および従業員にとっては不要不急の営業ではなくて、生活に密接に関わる必要な営業だからです。ただそういった店についても、補償をすることによって営業を止めることはできるはずです。
金銭を補償することによって不要不急となる(生活が逼迫することがなくなる)仕事については、いち早く補償し、外出を制限し、 どうしても必要な外出(どうしても出勤が必要な仕事、生活必需品の購入、運動など)について制御することによってはじめて感染拡大を抑えることができるのではないかと考えます。
当たり前ですが、感染拡大防止と生活維持は同時にしか為されません。 感染拡大防止の観点においてはなにが必要でなにが不要なのか、ということを明確にすることなしに、自粛という言葉を使ってそれぞれの個人や企業に責任を押し付ける首相の姿勢に落胆しております。
(齋藤春佳/美術作家)
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